こんにちは!うさたんです♪
決算分析をすることについて、次のような悩みはありませんか。
このような悩みの解決に繋がればと思い、数多くある決算分析方法の一つとしてお手軽に決算分析ができる方法についてご紹介します。
具体的には、決算サマリーで気になる数値の増減に着目し、その増減の理由について調べます。その上で、自分なりの仮説を立てることで、投資判断に活用します。
詳細な決算分析はとても大変です。様々な計算式を用いて各種指標を確認したり、同業他社との業績比較等、様々あります。
本記事でご紹介する方法なら、決算分析に慣れていない方にも、取り組みやすい方法だと思います。本記事がきっかけで、決算分析について苦手意識がある場合、苦手意識が解消されたら嬉しいです(*^^)v
決算短信は、どこから手を付ければ良いのか、イマイチわからないんだよね…
たしかに膨大な情報量だから何からすれば良いか迷っちゃう気持ちわかるよ。今日はお手軽に分析できる方法について紹介するね
お手軽にできるんだ!教えて教えて~♪
★決算短信を読むべき理由についての記事もお勧めです
決算サマリーで数値の増減に注目してみよう
決算サマリーには、売上高や営業利益、自己資本比率、1株当たり当期純利益(EPS)等、様々な数値が記載しています。これらの数値について、数値の増減に注目し、そこから調べてみることがお勧めの分析方法の一つです。
では、実際に企業の決算サマリーを見てみましょう。
配当金が8期連続増配予定でクオカードの優待品が貰える、私のお勧め銘柄、株式会社エイトレッドの「2024年3月期 決算短信」の決算サマリーを見てみます。
出典:IRライブラリ「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」P1
< https://www.atled.jp/ir/library/ >
エイトレッドは企業業績が優良で、優良な理由について、気になる点が沢山あります。
ですが、今回は決算分析方法のご紹介のため、特に気になる三つの数値に絞ります。
1.売上高
→前年度より15.4%上昇 ↑
(これだけ上昇した理由は何だろう?)
2.自己資本比率
→前年度より0.6%減少 ↓
(総資産や純資産が増えてるのに、なぜ減少したのかな?)
3.2025年3月期の業績予想
→今回の2024年度3月期より約10%上昇予定 ↑
(業績予想が高い理由は何だろう?)
今回はこの三つに絞って実際に調べながらご紹介します。
沢山ある情報の中でこの三つに絞ることができて、すっきりしたかも!
予め調べたいことを意識するとピンポイントで効率よく調べることができるだ。本格的に調べるとなると、さらに細かくなるし、収益性や成長性、安全性の確認が必要になるんだ。もっと慣れてから本格的に調べるようにして、今は数値の増減に着目してみよう
気になった数値の増減について、理由を確認しよう
決算サマリーでチェックした数値の増減について、結果に対する理由が決算短信や決算説明資料に記載しています。
決算短信より決算説明資料の方が図表や大き目の文字で記載しているのでわかりやすいです。ただ、詳細な説明は、決算短信に記載しているので、決算説明資料から読み始め、最後に決算短信を読むのもお勧めです。
では、実際にエイトレッドの決算サマリーの数値増減の理由について見ていきましょう。
1.売上高
→前年度より15.4%上昇
(これだけ上昇した理由は何だろう?)
2.自己資本比率
→前年度より0.6%減少
(総資産や純資産が増えてるのになぜだろう?)
3.2025年3月期の業績予想
→今回の2024年度3月期より約10%上昇予定
(業績予想が高い理由は何だろう?)
今回は、この三つについて理由を確認していきます。
売上高の上昇
決算短信の「経営成績等の概況」(1)当期の経営成績の概況から確認してみます。
"当社はワークフローソフトウエアメーカーとして、Webを活用したセミナーの開催及び全国主要都市でのパートナー企業との共同セミナーの開催、市場優位性を確保するための製品・サービスの機能強化、並びに急速に拡大するクラウドサービス市場のシェア獲得に向けたクラウドビジネスの拡大に注力してまいりました。また、2023年8月に、AgileWorksのメジャーバージョンアップをリリースし、2024年3月に、AgileWorksのクラウド版の提供を開始いたしました"
引用:IRライブラリ「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」P4
< https://www.atled.jp/ir/library/ >
上記は、事業活動についての説明です。
売上高上昇に繋がった詳細情報は次の通りです。
"AgileWorksは、2023年8月に行ったメジャーバージョンアップによるアップセル*1や、新規導入企業数が順調に増加したことにより、売上高が増加いたしました"
"クラウドサービス市場の成長及び企業のDX化の推進に伴うワークフロー需要の拡大を背景として、Webを活用したセミナー、無料トライアルの実施等により、新規導入企業数が順調に推移した"
引用:IRライブラリ「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」P4
< https://www.atled.jp/ir/library/ >
上記、引用した文章の赤文字部分が、売上高上昇に繋がった理由です。
これらの結果、売上高が25億1百万円(前年比15.4%増)に増加したことがわかりました。
自己資本比率の減少
次に、自己資本比率の減少について、同じく決算短信の「経営成績等の概況」(2)当期の財政状態の概況から確認してみます。
"(資産)総資産は、前事業年度末に比べ7億円増加"
"(負債)負債合計は、前事業年度末に比べ1億55百万円増加"
"(純資産)純資産は、前事業年度末に比べ5億45百万円増加"
引用:IRライブラリ「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」P4-P5
< https://www.atled.jp/ir/library/ >
決算サマリーには記載していなかった負債合計について、増加したことが確認できました。負債合計が、資産や純資産合計よりも増加したことが、自己資本比率が減少してしまった要因だと判明しました。
2025年3月期の業績予想の上昇予想
最後に、業績予想の上昇(予想)について、同じく決算短信の「経営成績等の概況」(4)今後の見通しから確認してみます。
"AgileWorksは、X-pointからのアップセルや、R3.0 へのメジャーバージョンアップ料の他、営業人員の増強並びに既存販売パートナーの深耕及び新規販売パートナーの開拓等による販売体制の強化を積極的に行うことにより、売上増を見込んでおります。
クラウドサービスにおいては、X-pointからのクラウドシフトや、電子帳簿保存法への対応、AgileWorksクラウド版の認知拡大、クラウドニーズの拡大による新規顧客獲得を積極的に行うことにより、売上増を見込んでおります。
また、費用面につきましては、売上拡大やサポート体制強化に伴う人員の増加や、製品機能強化のためのソフトウエア償却費の増加、クラウドサービス拡大に伴うクラウドインフラ費用の増加等はあるものの、売上高の拡大に伴う利益増が吸収し、利益は増益を想定しております"
引用:IRライブラリ「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」P6
< https://www.atled.jp/ir/library/ >
上記引用の赤文字部分は、売上高増加に繋がる理由が記載しています。既存販売パートナーに対して従来より高品質なサービスを提供することや、販売体制の強化を行うことによる、新規顧客獲得を積極的に行うことが売上高アップに必要な事と伝わります。
また、上記引用の青文字部分は、利益増加に繋がる理由が記載しています。売上高拡大やサポート体制強化に伴う費用はかかる見込みですが、売上高の拡大に伴い、各種費用を吸収し、利益は増益になると記載しています。
これらの数値の増減に対する理由について、仮説を立ててみたいと思います。
仮説を立ててみよう
決算サマリーの数値の増減について理由を確認後、自分なりに仮説を立てることがとても大切だと思います。
仮説を立てるの難しそう…。うさたんでもできるか不安だよ。
実際は難しくないんだ。はじめは間違っても大丈夫だから、丁寧に仮説を立ててみよう
仮説を立てることが大切な理由について、見てみましょう。
理由1:自分自身で投資判断をするために必要
仮説について、決算書には記載していない為、自分自身で考えるしか方法がありません。最初の内は難しいかもしれませんが、数をこなしながら、丁寧に実施していきたいです(*^^)v
理由2:たとえ仮説が間違っていたとしても、次に活かすことができる
未来については、誰にもわかりません。
なので仮説が間違っていることも多々あります。ですが、なぜ誤っていたのか次回の決算短信に記載されます。それを確認の上、「このような時はこうなるんだ」ということを学ぶことができます。その積み重ねで投資経験が蓄積していきます。
投資経験の積み重ねで、割安で放置されているお宝優良銘柄に気付くことができたり、次の成功に繋がることもありますので、万が一、仮説が誤っていても問題ありません。
(仮説)エイトレッドの将来の業績について
もし私がエイトレッドについて仮説を立てるなら、次のような感じになります。
2025年度以降も順調に企業成長が見込め、配当金の増配も期待できる。
※株価が下がるのであれば、優良銘柄として、お得に買えるかも!?
※目標の株式数を保有していないのであれば、積極的に買い増ししたい
2024年度は、AgileWorksのメジャーバージョンアップにより、既存顧客へ高い付加価値のサービスを提供し、またセミナーを通じて、新規導入企業数が増加したことにより売上高が前年同期より15.4%増加した。その結果、各利益が増益になった。また、負債合計が若干増え、自己資本比率が0.6%減少したが、純資産も増えているので安全性には問題が無い。
2025年度は、既存販売パートナーに対して高品質なサービス提供や、販売体制の強化により、積極的に新規顧客獲得を行い売上高アップを狙う。そのため、人件費やインフラの整備に費用がかかり、営業利益がマイナスになる可能性がある。
※長期的に見て売上高が費用分を回収できる可能性が高い(それで株価が下がれば買い増しチャンス!?)
売上高アップは、将来的に大きな利益に繋がる可能性があるため、配当金の増配が期待できる。株価が安くなったタイミングがあれば、買い増しもありだと思う。
もっと短い仮説でも全然大丈夫。例えば、連続増配期待大(企業成長性があるから)。株価が下がれば買い増しチャンス とかでも大丈夫だよ。
自分自身がわかればいいんだね♪
分析結果をメモしよう
気になる数値の増減とその結果に対する理由、そして仮説を立てた内容について、忘れないようにメモすることをおすすめします。
これらの知識は蓄積され、今後の決算分析や、銘柄選び等、様々なところで活きてきます。過去の分析内容を記録しておくと、次回の決算分析に振り返りが出来るのでとてもお得です(*^▽^*)
具体的に、メモをする手段はどのような方法でも大丈夫です。デジタルならPC付属のメモ帳やスプレッドシート、アナログならノートやプリントアウトした決算短信にメモします。私はプリントアウトした決算短信やスプレッドシートに、すごく簡単にメモしています。
おわりに
本記事をご覧いただき、ありがとうございます♪
高配当株投資は、長期的に配当金を貰い続けたい投資手法です。長期的に利益が上昇し、それに伴い配当金が増配していくことを期待したいです。
そのために、企業業績や将来的な成長について確認することはとても大切です。決算分析はとても奥が深く、ライトに行う方法から専門家が行うような細かな分析があります。
本記事でご紹介した方法は、お手軽に行える、沢山ある分析の内の一つです。気になる企業の決算がありましたら、ぜひ本記事の方法でお試しいただけたら嬉しいです(*^▽^*)
私のお勧め銘柄のエイトレッドについてご紹介♪
今回の記事でご紹介したエイトレッドについて、過去記事で魅力についてご紹介しました(*^▽^*)
株主優待や配当金狙いの方にぜひお勧めな企業なので、ぜひ過去記事もご覧いただけたら嬉しいです!
7/25(木)に1Q決算発表があります。
決算分析の記事をアップしたいと思います(*^^)v
*1:アップセルとは、顧客が購入した商品・サービスについて上位互換を提供することで、総売上額を増やすことができる手法。今回の場合は、従来のAgileWorksをメジャーバージョンアップし、上位互換としてサービス料の増加により高い売上高を見込める